電通に東京労働局などによる大規模な強制捜査が行われた。
労働基準法(労働時間)違反の疑いでの強制捜査だが、
この問題には就業時間内におさまらない仕事量と自分をよく見せようとする見栄があるように思う。
仕事量を減らし残業時間を削減する解決策が有効のようだが、
一方で収入減を解決する方法を与える必要もあるのではないかと考える。
広告業界のガリバー、電通で新入社員の女性が過労自殺した問題は7日、東京労働局などによる大規模な強制捜査に発展した。
刑事事件として立件される可能性が高まり、石井直社長は社内の説明で長時間労働の改善を呼び掛けた。
だが、社員らには戸惑いや懐疑的な受け止めも広がっている。【早川健人】
<電通>社長説明に社員違和感 長時間労働、改善疑問視 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161108-00000006-mai-soci
ブラック企業被害対策弁護団の戸舘圭之事務局長は強制捜査を「日本の労働行政の中で象徴的な出来事だ」と評価。
その上で「電通は氷山の一角。賃金未払い残業は横行しており、取り締まりも弱い。
労働局が強い姿勢で臨めば企業も態度を変える」と望んだ。
広告代理店最大手・電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24歳)が昨年12月に過労自殺した問題で、
厚生労働省東京労働局などは7日、東京都港区の電通本社と関西(大阪市)、京都(京都市)、中部(名古屋市)の3支社を
労働基準法(労働時間)違反の疑いで家宅捜索し、労務管理の記録などを押収した。
組織的に違法な長時間労働が存在するのに残業時間が過少申告されるなど悪質とみており、法人としての電通と人事責任者らを書類送検して刑事処分を求める方針とみられる。
難しい問題。
残業時間の規制が叫ばれる中で、実際の就業時間内での作業は割り込み作業や雑務、ちょっとしたハマリや手戻り、
そもそも見積もりが甘かったなど時間不足になるのは当たり前。
さらに、予定時間を越えた残業は報告義務が発生し、45時間を越える残業は基本的に許されない。
そうなると、残業していても残業申請しない空残業が発生する。
プロジェクトの収支もよくなるし、自分のミスや技術不足、管理不足なども隠すことができる。
なにより余計な報告義務が発生しない。
自分を少しでもよく見せようとする。
学生時代にあったような気がする。
テスト前に勉強していても、勉強していないって
答えるのに似ている。
1人が我慢してしまうと、我慢が当たり前、
我慢が美徳となる流れがあるのが怖い。
でも、それが本当に幸せなのだろうか。
昔、いわれたことがある。
「残業しているのに残業申請をしなければ実態がわからなくなる」
「そもそもモチベーションが上がらないだろう」
「残業で作業した時間は今後も就業時間内で出来ると認識される」
「本当の技量がわからなくなる」
残業時間はしっかりとつけるべきだ。
そもそも残業が発生しないような作業ボリュームとする。
それが一番の解決策のようだけど、そうなると自分の場合、懐事情がさびしくなる。
過労死や残業時間の抑制といわれる中で、もっと働きたいという人がいるのも事実。
残業可もしくは副業可という選択肢を与え、仕事のスタイル、バリエーションを広げてもよいのではないかと考えている。
ワークライフバランスという言葉があるが、仕事を減らすだけではなく、
仕事を増やして収入面でのバランスをとることも大切ではと考える。