アメリカの「民主主義詩人」ことホイットマン(Walter Whitman)の「草の葉(Leaves of Grass)」は生前は評価されなかった。
「自由詩の父」と呼ばれるホイットマンは1819年5月31日生まれで1892年3月26日に他界。
ホイットマンが1855年に自費出版されたホイットマンの代表作『草の葉』は、アメリカの叙事詩を市井の人々に届けようという試みであった。
しかし、その初版は795部で題名のない12編の詩を収めたわずか95ページの小冊子だった。
結果としてほとんどが売れなかった。
『草の葉』は「くずで、卑俗、わいせつ」 (“trashy, profane & obscene”) で、著者は「もったいぶったばか」 (“a pretentious ass”) だと酷評されている。
それでも、第2版を刷り、ホイットマンは1892年の死まで『草の葉』の作品の改訂、再版を重ねた。
「臨終版」と称される 91~92年の第9版には400編余を収めるまでの大作になっていた。
ホイットマンの名言
わたしにも、誰にも、あなたに代わって道を歩くことはできない。自分の道は自分で行くほかないのだ。
私の決心は少しも揺るがない。私は自分の詩の仕事を自分自身の方法で、最後まで力の限り続けていこう。
誰からも評価されずとも、常に前に進んでいく精神のホイットマン。
死の直前まで『草の葉』と共に歩んできたホイットマン。
いくら自分の作った作品が評価されなくとも、100年先には認めてくれるものがいると信じて進む勇気。
その結果、死後にはアメリカの「民主主義詩人」とまで賞賛されるようになった。
あきらめてはいけない。
自分の道は自分で切り開く。
自由だからこそ、自分で道を切り開いていく必要がある。
アメリカの精神には自由を進むために必要な勇気があると思う。
【小ネタ】
ホイットマンは特定の宗教が他の宗教よりも重要だといった考えを否定し、全ての宗教を対等に扱った無神論者であった。
すべての教会を認めつつ、どれ一つとして信じていなかったとのこと。両性愛者とも言われているが確証はない。