蟻酒のススメ

2010年のGWに広島の中華料理店にて「蟻酒」を飲む機会があった。

広島の中華料理店のカウンターに置かれている薬膳酒の中に「蟻酒」があった。

全ての薬膳酒の容器には効能が記述されていたが、「蟻酒」の容器にだけ効用が記述されていなかった。

しかし、自分は同じアリの名を持つお酒を飲まずにはいられなかった。

「どのような効果があるのか」

身をもって知った。酒を飲んだ翌日は体調を崩す自分の体が始めて受け入れたお酒。それが「蟻酒」だった。

蟻は世界中の多くの地域で「強壮剤」、「民間薬」、「食品」として食べられている。

中国の東漢時代には蟻の粉末を蜂蜜で丸く固めた「金剛薬」という薬が不老長寿の「聖薬」として重宝されたという記述が残っているという。

なぜ、蟻を食べた！？

「あいつら、なんで体の数百倍もの荷物を運べんの？」

「あいつら食べたらあの力が手に入るんじゃね？」

とかいうやり取りで昔の人が蟻を強壮剤として食べちゃいました。

※「周礼・天官」に、王室の貴族が「蟻卵ジャム」を食べていたことが記載されている。

3000年前からの生薬今から三千年前の「周礼」、最古の詩集である「詩経」および薬物専門書「神農本草経」などに記載されており、 はるか古代の中国では虫類を生薬として臨床に応用されていたことが明らかにされている。

蟻を食べることの効能

1. リューマチ（リウマチ）の原因となる過酸化脂質を抑える
2. 免疫力(病気に対する抵抗力)を調整する作用
3. 抗炎症作用(炎症が起こらないにする働き)
4. 鎮痛作用(痛みを鎮める働き)で腰痛やひざの痛みに有効
5. 血液の流れをよくする
6. ホルモンバランスを調整し更年期障害に有効
7. 性機能を増強する作用
8. 慢性肝炎の改善に役立つ肝臓保護作用
9. 身体の各部位、経絡にエネルギーを補填する
10. 疲れたり病んだりした身体を復活させる

西洋医学の統計ではないが、中国での統計では25万人のリューマチ（リウマチ）患者を対象に行われた臨床試験では、蟻の有効率は80%。

蟻の抗炎症作用・鎮痛作用としての評価中国で2万人のリューマチ（リウマチ）患者に蟻を与えて行われた臨床試験では、3ヶ月後に副作用もなく80%の人の症状が好転。

……「蟻」の精力増強のイメージが強いのは、中国の臨床試験の結果や、中国の古来からの滋養強壮剤としての用途からの影響らしい。

蟻の栄養素・成分

1. たんぱく質が豊富
2. 亜鉛やセレンなどのミネラルが豊富
3. 人間の免疫システムととは全く違った蟻の免疫物質

蟻(アリ)の体は水分を除くとタンパク質と脂肪が主成分。

蟻のエネルギー量は同じ重さだと牛肉の4倍、たんぱく質量は乾燥重量の42%を占める。

特に亜鉛やセレンが精力増強に効果があるのはご存知だと思う。

蟻の免疫物質が人間のホルモンバランスに影響を与え、リューマチ（リウマチ）や更年期障害に有効らしい。

さらにアミノ酸やビタミンが多く含まれる。

8種類の必須アミノ酸をはじめ、28種類のアミノ酸、V・B1・B2・B12などのビタミン、亜鉛・マンガン・鉄・カルシウム・マグネシウム・セレニウムなどの微量元素がバランスよく含まれている。

昆虫変態ホルモン「エクジソン」（昆虫の脱皮や羽化を促す働きを持った成分）は現代人の為の新しい健康食品として注目を集めている。

栄養素や成分から見ても、食べて効果が出るのは明らかである。

蟻酒を飲んでみた

実際に蟻酒を飲んでみた。

	今回、初めて蟻酒を飲む機会を得た広島にある団欒亭（だんらんてい）【食べログ】。 ジャンルは中華料理。場所は広島県広島市中区薬研堀にあります。定休日は日曜日なので注意。 場所が繁華街の中にあるので、夜遅くまで営業しています。出前もやっているっぽい。 店員さんは中国の人のようだった。
	メニューに記述されている蟻酒。 蟻酒は1000円。結構高い。しかし、ネタに腹は変えられぬ。 カウンターにある薬膳酒。その中の1つが蟻酒。色からして異彩を放つ。 他のお酒（薬膳酒）には効能が書かれていたりするんだ。梅酒とか、鹿のペ○スとかが入ったお酒とかには…… でも、蟻酒には効能がかかれていなかったんだ。でも、値段は他の薬膳酒と同額。
	蟻酒、きました。 蟻酒、予想以上に色が濃いです。 蟻酒、予想以上に蟻が多いです。 蟻酒、予想以上に蟻が底に溜まっています。 蟻酒、予想以上に味が濃いです。 蟻酒、予想以上にアルコール濃度も高いです。
	蟻酒、味に慣れてきた。 蟻酒、ファーストドリンクとして頼むんじゃなかった。 蟻酒、がぶ飲みはできません。 蟻酒、ボンドみたいです。 蟻酒、減ってきました。 蟻酒、そろそろ蟻を食べる時期がやってきました。
	蟻酒、蟻と酒の割合が半々に。 蟻酒、蟻は食べれるか店員に聞く。 蟻酒、蟻食べれると店員。 蟻酒、蟻食べる。 蟻酒、蟻の味はなかった。 蟻酒、蟻の頭がコリコリしてて、歯ごたえ抜群。
	蟻酒、一度食べたら抵抗はない。 蟻酒、明日は無事に生きているだろうか。 蟻酒、母さん、すみませんでした。 蟻酒、何か、力がみなぎってきた。 蟻酒、ありがとう。 蟻酒、ごちそうさま。

翌日

酒を飲んだ翌日は体調を崩す自分の体。しかし、飲んだ翌日はすこぶる快調。そして快腸。自分の体が始めて受け入れたお酒。それが「蟻酒」だった。

食べれるアリ、食べれないアリ

蟻なら何でもアリというわけでもない。世界には約１万５０００種がいて、中国にいる蟻は２５０種、うち食用にされているのは数十種。 一般に普及しているのは中国・衛生部が食用・薬用に認可し、養殖されている「擬黒多刺蟻（ぎこくたしあり）」と呼ばれる７ミリ前後の黒蟻だ。 蟻の中には毒性の強い蟻も存在するので注意が必要。

近場にいる蟻は食べてもいいかは自己判断でどうぞ。

蟻酒は見た目がちょっとグロい。味はウイスキーやブランデーのようでアルコール濃度は高い。

体によさそうなイメージはあったし、現に翌日の体調は良かった。

アリブームが来るのは近い。