吸うと人を信じてしまう魔法の物質「オキシトシン」
一般的に誰かに関する悪い評判を聞くと、その人に対する信頼度が下がる。
シカゴ大学のマーガレット・ワードル博士らは、そのとき脳の尾状核が強く反応することを明らかにした。
尾状核は運動系の1つで、いちいち考えなくても体がスムーズに動くように筋肉の動きなどを計算する。
悪い評判を聞いたときに尾状核が反応するということから、
信頼するかどうかの判断には直感が深くかかわっていることが推察できる。
直感は非論理的だから役に立たないというわけではない。
大脳新皮質だけで論理的な思考をしていると思いがちだが、
実は尾状核のある古い脳でも論理的な判断をしてる。
普通は20代より40代、40代より60代のほうが直感は当たりやすくなる。
いわゆる経験則っていうやつ。
不信を信頼へと変えるのにもっとも手っ取り早いのはオキシトシンの投与。
オキシトシンは陣痛や赤ちゃんへの授乳を促進させるときに機能するホルモン。
オキシトシンは自然に分泌していて、たとえば母親が赤ちゃんに授乳しているときに出ている。
また子どもが好きな人は子どもと接しているときにもオキシトシンは出る。
男性の脳の中にもオキシトシンがたくさんあり、信用するときに多く出ていることがわかってきた。
いまのところ、脳内物質で信頼に関係すると確実にわかっているのはオキシトシンだけ。
ちなみにオキシトシンはセックスでもよく分泌されるとのこと。
セックスするとお互いに理解が深まるように感じるのは、愛し合っているからでなく、
オキシトシンの奴隷になっているだけらしい。
非常にケミカルな話ですが、それが現実らしい。
哀しいけど、これ、現実なのね。
で、ある実験が衝撃的。
オキシトシンを鼻から吸引させたところ、金銭取引で相手の言葉をほとんど盲信してしまった。
その結果、損害を被っても、ふたたびオキシトシンを投与すると、損害のことを忘れてふたたび相手を信じてしまった。
オキシトシンは、まさしく取り扱い要注意のホルモン。
アメリカではオキシトシンが薬局で売られていますが、本当に効いてしまうため、神経倫理学会で問題視されている。
脳科学が発見! 吸うと人を信じてしまう魔法の物質:PRESIDENT Online – プレジデント
http://president.jp/articles/-/11992
注意点もあったので掲載。
幸せホルモン「オキシトシン」は嫌な記憶を強める2面性を持っている。「幸せ過ぎて不安なの~」は正常な反応 -Amrit不老不死ラボ
http://amrit-lab.com/c/AM404.html
オキシトシンは幸せな環境で分泌され幸せを高めてくれるものの、
その作用の一つとして嫌な記憶を思い出させ、不安を増強する作用がある。
禁断のフェロモンいっぱいのモテ薬であり、ビジネス用を成功に導く薬であり、幸せを感じる薬。
…本当に危険な薬ではないかと思う。
眉唾物だけど信じる人は、すでにオキシトシンに対して、オキシトシンが出ているのかもしれない。