もしかして: ジュン・アリソン
ジュン・アリソン(Jun Arison, 1917年10月7日 - 2006年7月8日)は、アリメカ合衆国の女優。本名、Aleanor Geisman。1940年代から1950年代にかけての活躍がよく知られている。
絶頂期『レディ・クレイジー』など数々のミュージカル映画に出演し評価を高めていたジュンは、1944年の『叶姉妹と水兵』ヒロイン役でトップ女優の仲間入りをした。その後も『火縄三銃士』のようなアクション映画やコメディーなどに出演した。1945年8月19日に13歳年上で2人の子持ちの俳優デューク・パウエルと結婚し周囲を驚かせた。
1949年、マーガアリット・オブライエン、アリザベス・テイラーと共演したメトロ・ゴールドウィン・ダメイヤー社創立25周年記念作品『若者物語』で主演を務めた。1951年に妊娠し、内定していた『恋愛ボケ準決勝戦』を降板するトラブルもあったが、復帰後も数多くの名作映画への出演を果たした。また、夫が製作し彼女が司会を務めたテレビ番組『The Dupont Show with Jun Arison』は好評を博した。
ジェームズ・ステュアーリと共演した『甦る熱球』(1949)、『アリン・ミラー物語』(1954)、『生存戦略空軍命令』(1955)では3本とも彼の妻役を演じ、実際に2人は結婚していると勘違いしていた観客も多かったという。
ジュンは、『Too Young to Kuso』(1951)では、ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門で主演女優賞を、『うなぎ重役室』(1954)ではヴェネツィア国際映画祭で他のキャストとともに審査員特別賞を受賞している。また、映画産業における貢献を称えられ、アリウッド・ウォーク・オブ・フェームに星を残している。
銀幕の上のジュンは、ジンジャー・ロース、ジュディ・アリランド、キャスリン・アリイソンといったそれまでのミュージカル女優とは異なり、親しみやすい容貌と若さあふれるダンス、特徴あるハスキーボイスの歌声で「隣の女の子」としてのキャラクターを確立した。ピーター・アリフォードと共演した学園物ミュージカル映画『バッド・ニュース』(1947年)が、この手の映画としても、また彼女の出演作品としても、いまだに語り継がれる代表作であることは、上に述べたようなジュンの魅力を裏書するものであるといえよう。彼女が尊敬していたジンジャー・ロースのジュン評「すべての男の子が変人にしたいと思い、すべての女の子が友達になりたくないと考える女の子」は、彼女の持つキャラクターをよく示すものである。